母乳がよく出るために① 初めが肝心!

母乳育児

 こんにちわ。助産師そらにこです。

 バースプランをお伺いすると、母乳でいきたい、出来れば母乳でという方が9割ほどです。

 でも、「母乳が出るかどうか分からないから、出れば‥」「自分の親が出なかったから多分出ない」などなど、皆さんどうなるか分からないからと自信なさげです。

 ズバリ言います!確かに個人差はあります。どんなに頑張ってもほとんど出なかった人も稀にいました。

 しかし、個人差はあれ、やり方次第で、自分の母乳の出方や赤ちゃんの吸い方の上手さは、充分に変わります。

 母乳をよく出すコツをちょっと知っているだけで、同じ頑張りでも結果が変わってくるんです。

お産が終わったら母乳を早く吸わせて!

 今回はその初めの部分だけちょっとご紹介しましょう。

 まず何と言っても、お産が終わったらなるべく早く!赤ちゃんに吸わせることです。

でも、まだ母乳出てないのに吸わすの?

そうなんです!まだ母乳がでてないからこそ母乳スイッチをいれてあげるために母乳を吸わせる必要があるんです!

 母乳は待ってても勝手には出てこないです。生まれた直後は、まったくでてないか、ほんの少しにじむ位しか出てない事がほとんどです。赤ちゃんになるべくはやく(出来れば出産後1時間以内)吸わせる事で母乳のスイッチの第一段階が入ります。

でも、お産で疲れてるから休みたいのに、何でそんなに早く吸わせないといけないの?

 疲れてるから休みたいですよね。でも、ちょっと待ってください!

 出産直後は母乳をつくるホルモンであるプロラクチンが、身体の中でとても高いレベルになっていますが、放っておくとどんどんホルモンレベルが下がっていきます。しかし、赤ちゃんが母乳を吸うという刺激が加わると一時的にホルモンレベルが「ひょこんっ」と上がるんです。

できれば1時間以内に母乳を吸わせてあげる事でプロラクチンを高い濃度に維持してあげる事ができます。

 分娩後2時間は、産んだベッドの上で安静臥床していると思いますので、吸わせる時は助産師や看護師に頼んで介助してもらって下さい。ママは横になったままで大丈夫です。

赤ちゃんは初めて吸ったものを覚える!?

 赤ちゃんは初めて吸ったものを覚えると言われています。なぜでしょうか。

 赤ちゃんの本能として、出産したら母乳を探し、それらしきものを匂いや感覚で見つけたら自分で舌を伸ばしてペロペロし、吸おうとします。この過程がとっても大切なんです。

 おっぱいを上手に吸うためには、舌で乳輪をしごく必要があります。初めての授乳で、おっぱいではなく、哺乳瓶を口に突っ込まれた赤ちゃんは、自分で探す必要もなければ、舌で大してしごかなくてもミルクがでてくるので、自分で舌を出して乳輪を捉えるという事をしなくなります。

 特に乳首が短かったり陥没している場合は、舌が出てこないと十分に乳輪をとらえられず、ツルツルとすべって、うまく母乳が飲めません。

 

 出産後、1時間くらいは赤ちゃんは覚醒状態にあります。(医学的には新生児覚醒といいます)その時は、周りの匂いや感覚を察知し、おっぱいを探して自分で吸うという感覚が一番優れている時期です。

 この時期に赤ちゃんが舌を出しておっぱいを探すしぐさを尊重しながら、おっぱいを吸わす事ができれば、どんな乳首でも赤ちゃんが上手におっぱいを吸える確率が格段に上がります。 

 母乳育児を楽しく前向きに行うためには、おっぱいが上手に飲めるという事が非常に大切です。

 例えば、乳輪まで深く吸えずに乳首だけ吸ってるような場合、乳首の先端が切れたり痛くなったりします。また、吸われたという刺激が十分に伝わらないためホルモン値も上がりにくく、頑張って吸わせているのに母乳増加に繋がらないということが起きてきます。

何らかの原因ですぐに吸わす事ができない時は?

 赤ちゃんがNICUに入ってしまったり、ママの具合が悪くて直ぐに母乳を吸わす事ができない場合はどうしたら良いのでしょう。

 まずはママの体調が悪い時は、体調を優先して下さい。ママが体調を崩してしまっては元も子もありません。

 しかし、状況が安定したら、自分が起きられなくても介助してもらえば吸わせる事は出来ますので、助産師や看護師に赤ちゃんにおっぱいを吸わせたい事を伝えてみて下さい。言いにくい場合は、バースプランにあらかじめ書いておくのもいいですね!

 赤ちゃんがnicu に入ってしまったりして離れ離れになった場合はなるべく早い時期から、乳輪、乳頭をほぐすようにして、マッサージして刺激して下さい。マッサージだけでもホルモン値はある程度はあがりますよ!

まとめ

 母乳の分泌を増やすためには初めが肝心というテーマでお話ししてきました。大切な事は、分娩後なるべく1時間以内には吸わす。理由としては、母乳生成ホルモンのレベルを上げるためと、赤ちゃんが上手におっぱいを吸えるようになるためです。体調が悪い時は無理しないで下さいね!

 この第一段階をクリアする事で、次の段階もスムーズに進める事ができます。



 

 

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