会陰切開と裂傷どっちがいいの?

 バースプランプランで

「会陰が裂けそうなら切ってください」

と書いている方が結構います。きっと沢山ネットで調べていただいたんだと思います。無理もありません。ネットではそういう意見も多いです。特に掲示板などでは、「会陰切開せずに避けた結果肛門近くまで裂けて大変だった」のような意見があると、皆、それに同調してしまっている感じがします。

 そもそも会陰裂傷にも色々あるし、会陰切開にも色々あります。ですので一概にどっちがいいとはいえないのです。

会陰裂傷、会陰切開の傷の大きさについて

 会陰裂傷の傷の深さは次のように分類されます。

  • 第1度会陰裂傷:会陰の皮膚だけで、筋肉までは及んでません
  • 第2度会陰裂傷:会陰の筋肉まで及ぶけどそれを超えた所にある肛門の筋肉までには及んでません
  • 第3度会陰裂傷:主に肛門の筋肉にまで及んでしまっている
  • 第4度会陰裂傷:肛門の粘膜や直腸にまで及んでしまっている

 会陰切開した場合は、II度までいきます。

 会陰裂傷には色んなレベルがあります。会陰が伸びて伸びて薄ーくなってから最後ペリペリっと避けるのであればI度ですみます。

 I度ですみそうな会陰の伸び具合であれば特に切開はいれない方がいいです。

 ただ、I度で済むと思っても思ったより頭や肩が大きかったり、急激な息みがかかって会陰に負担がかかってしまうとII度行ってしまう事もあります。

  読みが外れるということですね。

でもそれは会陰切開した時も、同じです。会陰切開でも会陰がある程度薄くなってからするものとまだ分厚いうちにするものとでは同じII度でも深さが全然ちがいますし、状況によっては切開したよりも大きく裂傷が広がってしまう場合もあります。

 ですので、さける前に切ってしまうのは状況によってもったいない場合もありますし、切開しても裂けてしまう場合も往々にしてあるという事です。

 そこは助産師や医師の力量もありますが、赤ちゃんやママの状況により、会陰の状況より命を優先させていただくことも結構あります。

 ぜひバースプランを書く時には「会陰の傷がなるべく小さくなるようにお願いします。」と書いてみて下さい!

次回は会陰の傷が小さくなるように自分が出来る事についてお話ししたいと思います。


 

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